思いの交錯

 

さしてかけっこの速くない彼は

 

単に走ることだけでなく いわゆる腱反射のない彼は

 

コートカバレッジが幼い頃からの課題

 

 

俺も彼にそれを伝えていたし

 

低学年の頃自身で信じていたほどは 敏捷性が自分にないことを 

 

高学年にさしかかるにつれて認識した彼は

 

 

また 身体も同級生よりも二周りは小さい彼は

 

 

そして

 

彼のプライドを守りたくて 俺が話す 

 

身体の大きさや敏捷性がこの年代で勝つには必要だ という言葉を聞いた彼は

 

 

自分から試合を入れようとはしなかった

 

 

あるいは そんな僕の話を聞いて

 

俺が 試合にでないほうがいいと思っている と思ったのかもしれない

 


はたまた テニス そのものがそんなに好きでもないのか

 


それがわからなくて 俺は 彼にきいた

 


もう試合で一番になるっていう目標は叶えようとしないのかい


あくまで ニュートラルな質問として

 

 

彼は もにゃもにゃいっていたけど その二週間後

 

 

4月になったら いつものところで試合にでたいから いれてくれ 

 

そう言った

 

 

最近のレッスンで 早いボールや遠いボールに 相当ついていけるように

 

なっていることを実感しているからかもしれない

 

 

俺はちょっとうれしくもあり でも むしろ彼にためらわせていたのかなとも思ったり

 

あるいは 俺に気を使っているのかなとも思ったり

 

そもそもテニスのことが好きなのかもわからなかったり・・・

 

 

彼の中でも それがすべて混ざった気持ちなのかもしれない

 

 

小さな大会でもいいから 優勝できたら 気持ちいいだろうな 

 

という彼の願いが かなってほしい気持ちは もちろんあるけど

 

 

でも 試合で 勝とうが負けようが 俺は君のテニスをみるのが好きなんだ  

 

 

小さい身体も少しずつたくましくなってきて 力強くなってきて 

 

なおそう思う 


I love to watch you play !!